子供の教育費の用立てに悩んでいる、そんな方も多いのではないでしょうか。
今回は、信金の教育ローンについて紹介をします。
信金の教育ローンの中でも特におすすめの金融機関を紹介するので、教育資金準備の際に、ぜひ参考にしてみてください。
様々な融資制度・サービスの特徴についても紹介するので、信金の教育ローンの内容と比較をして、自分に合っているモノを選択しましょう。
- 信金の教育ローンは、民間サービスの中では比較的金利が低いものが多い
- 信金の教育ローンは利用できる地域が決まっている
- 教育資金の融資制度やサービスには、公的なものから民間のものまで様々ある
目次
信金教育ローンの特徴 | 低金利だが利用範囲が限定
信金の教育ローンには、どんな特徴があるでしょうか。一言で信金の教育ローンといっても、様々な信用金庫が営業を行なっており、それぞれ内容の異なる教育ローン商品を提供しています。
実際にローン契約を進める際には、金融機関ごとに設定されている条件をよく確認し、納得したうえで利用することが重要です。
信金教育ローンには、他のローンサービスや都市・地方銀行の教育ローン商品と比較して、以下のような特徴があります。
- 比較的低金利
- 利用可能エリアが決まっている
他の制度やサービスとも比較しながら、自身の希望に合ったサービスを利用しましょう。
比較的低金利 | 民間サービスの中で低水準
信金の教育ローンは、都市銀行などが提供する教育ローンの金利と比較して、低金利であるものが多く用意されています。
しかし、民間のサービスの中では、信金の教育ローンはかなり低い水準の金利設定 をしています。
例えば、朝日信用金庫では、2022年1月現在において2.4%の実質年率を設定しています。
これに対し、大手都市銀行の三菱UFJ銀行では2022年1月現在において、3.975%という実質年率に設定しています。
金融機関によって金利設定は異なるため、一概に信金だから金利が低いとまでは言えません。
しかし、民間のサービスの中では比較的金利を低く設定している金融機関が多いため、融資の候補として有力と言えるでしょう。
利用可能エリアが決まっている | 信金の営業地域による
信金の教育ローンの特徴として、利用可能エリアが決まっているという点が挙げられます。
利用しようとしている信金が本拠を構える地域の周辺であるとか、信金の本社がある地域の周辺の一定範囲など、利用できる範囲が決まっているケースがほとんどです。
信金ごとに、営業地域範囲内であることを条件にしているケースも多いです。
利用可能エリアの考え方は、信金によって異なっています。
そのため、利用したい信金の教育ローンの利用可能エリアを確認して、利用できるかについてあらかじめチェックしておきましょう。
信金の教育ローンの種類 | 一括受け取りか申請の都度か
教育ローンといえば、一度にまとまった資金の融資を受けて、毎月一定額を返済していく形式を連想する方が多いかもしれません。
しかし、近年は他の形式の教育ローンも用意されています。
融資限度額の範囲内で自由に入出金ができるタイプなど、便利に利用できる形式もあります。
自分に合った教育ローンの形式を選択し、便利に活用しましょう。
信金の教育ローンの種類を、以下に3種類紹介します。
- 証書貸付タイプ
- 当座貸越タイプ
- カードローンタイプ
証書貸付タイプ | 一括で借り入れ
証書貸付タイプとは、借入金額を一括で受け取り、毎月一定額を返済していくタイプの契約内容になります。
一般的に、教育ローンの形式と認識されていることが多いかもしれません。
証書貸付タイプの特徴としては、借入限度額が高額に設定されている場合が多い点が挙げられます。
大学入学前など、最も資金が必要になるときにまとまった資金が得られるので、安心して資金繰りを検討できます。
また、返済期限が長く設定されているケースも多いです。
当座貸越タイプ | 申請の都度借り入れる
当座貸越タイプとは、借入限度額の範囲を条件にして、必要な時に必要な金額を自由に借り入れできるという形式を言います。
例えば、毎年4月の年間授業料の支払い時に100万円を借り、1年間かけて返済する方法を4年とも実施するという使い方があります。
借り入れた金額に対して金利が発生するので、証書貸付タイプのように、一括でまとまった資金を借りるよりも利息の負担を抑えられるというメリットがあります。
デメリットとしては、借入を受ける都度金融機関の窓口に行かなければならないという点が挙げられます。
カードローンタイプ | ATMを利用した借り入れ
カードローンタイプは、当座貸越タイプと同様、借入限度額の範囲内で、必要な資金をいつでも自由に借り入れできる、便利な形式になります。
借入限度額や返済期限などの条件は、当座貸越タイプと同じであるケースが多いです。
当座貸越タイプとの違いは、提携しているカードローンATMにおいて、借入の手続きや返済の手続きができるという点にあります。
資金が必要になるときに、銀行預金からATMでお金を引き出す感覚で融資が受けられる、とても便利なサービスになります。
自分でしっかりと借入金額を管理できる方に適した形式といえます。
信金教育ローンおすすめ | 4つの信金を紹介
同じ教育ローンでも、金融機関によって借り入れ条件や返済手続きが違います。
できるだけ良い条件で借り入れを受けるために、金融機関ごとの条件を十分に比較することをおすすめします。
信金の教育ローンを選択する場合には、地域による利用範囲が決まっている点も考慮して、自分に最も適した金融機関を選んで申し込みをしましょう。
以下に、信金の教育ローンサービスを提供している金融機関の中から、おすすめを紹介します。
教育ローンの比較検討をする際にぜひ参考にしてみてください。
金利(2022年1月現在) | 返済期限 | 融資限度額 | 営業範囲 | |
---|---|---|---|---|
朝日信用金庫 | 2.4% | 16年 | 1,000万円 | 東京・埼玉・千葉 |
大阪シティ信用金庫 | 2.2%(別途保証料分上乗せ) | 16年 | 1,000万円 | 大阪府・奈良県と兵庫県の一部 |
東京東信用金庫 | 1.9%~2.7% | 16年 | 1,000万円 | 東京・埼玉・千葉 |
京都信用金庫 | 2.0%~2.8% | 11年 | 1,000万円 | 京都・滋賀・北大阪 |
朝日信用金庫 | 関東の老舗信金
朝日信用金庫は、創業が大正時代という老舗の金融機関になります。
教育ローンの金利の低さが魅力で、金利負担を軽減して借り入れを受けられます。
営業地域は、東京・埼玉・千葉の関東一円になります。
朝日信用金庫では、教育ローンで融資を受けた資金の用途を幅広く設定しています。
融資限度額は1,000万円となっており、まとまった資金を一括で受け取れるので安心です。
返済期限も16年で、長く設定ができるので、毎月の負担金額を抑えたい方にもおすすめです。
申し込みは、店頭の窓口を訪ねる方法以外に、インターネットからの申し込みも可能です。
大阪シティ信用金庫 | 大阪を中心に利用可能
大阪シティ信用金庫は、昭和初期に設立された信用金庫で、大阪およびその近辺で営業活動を行っている金融機関です。
大阪シティ信用金庫の教育ローンの金利は2.2%(2022年1月現在)とかなり低く設定されています。
しかし、実際には保証料相当の金利が上乗せされるので、契約する際に注意しておきましょう。
返済期限は16年、借り入れ限度額は1,000万円となっています。長期的なスパンで、計画的に返済できるのが魅力です。
大阪シティ信用金庫で、教育ローン以外の取引をしていると、金利が優遇されるという制度があります。
例えば、住宅ローンや消費者ローンを大阪シティ信用金庫で受けていると金利が0.1%優遇されます。
他の教育ローンへの借り換え目的で融資を受けられるようになっています。
すでに教育ローンで融資を受けているという方も、内容次第では借り換えを検討するとお得かもしれません。
東京東信用金庫 | 金利の低さが魅力
東京東信用金庫は、昭和20年から営業を行っている金融機関です。
金利の低さが特徴で、1.9%という低金利のサービスを提供しています。(WEB申し込み完結の場合に限る。2022年1月現在)
借入限度額は1,000万円、返済期限は16年となっています。
東京東信用金庫の教育ローンでは、一般的な一括借入型のタイプと、カードローン型のタイプを選択できます。
カードローンタイプを選択した場合には、必要な時に必要な金額のみを借り入れられます。
一括借入よりも金利負担を抑えられるメリットがあります。
また、契約する時点では総額でいくらくらいの資金が必要なのか、不明な場合にもカードローンタイプは便利です。
京都信用金庫 | 京都近辺の老舗信金
京都信用金庫は、京信の愛称で知られ、大正時代に設立した老舗の金融機関です。
京都府、滋賀県、大阪府を営業地区として営業活動をしています。
京都信用金庫の教育ローンは、大きく分けて2種類の用意があります。
第一に、カードローンタイプの教育ローン「キャンパスLINE」です。
WEBでの申込により、店舗に足を運ぶことなく借り入れが受けられるので、大変便利です。
最寄りの提携ATMを利用して、必要な時に必要な資金を借りられるタイプで、入学前に必要な資金の金額が不明である場合でも、安心して利用ができます。
第二に、一括借入を受ける証書貸付型の「教育LINE」です。
最大1,000万円まで借入が受けられるもので、融資当初からまとまった資金を獲得できるメリットがあります。
在学中は返済を猶予してもらえる設定も可能で、長期にわたって計画的に利用できるタイプの借入方式です。
信金教育ローン以外の教育資金融資制度・サービス | 公的制度から民間サービスまで
子供の教育費を準備する際に、信金の教育ローン以外では、どんな制度やサービスがあるのでしょうか。
それぞれの特徴を理解し、最も自分に合っているものを利用することが重要です。
融資制度・サービスを比較するうえでポイントとするべきは、以下のような事項が考えられ
ます。
- 返済にかかる利率
- 返済期限
- 融資の受けやすさ
以下に、代表的な教育費関連の融資制度・サービスを紹介します。
十分に内容を比較し、利用する制度・サービスを決めましょう。
返済金利(年利目安) | 返済期限 | 借入先 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
奨学金制度 | 無利子~0.468%*令和3年実績 | 借入金額により決定 | 日本学生支援機構 | 金利が低い長期間の返済 |
生活福祉資金貸付制度 | 原則無利子(遅延により3%の延滞利子) | 借入先により異なる(20年など) | 国、地方自治体 | 無利子所得制限など要件が厳しい |
教育一般貸付 | 1.65%(2022年1月現在) | 最長15年 | 日本政策金融公庫 | 金利が低め借入上限額が少なめ |
学生ローン | 3.0%~20.0% | 5年など(業者により様々) | 消費者金融 | 手続きが簡単・短時間で融資可能金利が高い |
民間金融機関の教育ローン | 1.6%~4.0%(金融機関により違う) | 10~30年など(金融機関により違う) | 銀行・信用金庫 | 手続きが早いカードローン型など便利な利用が可能金利が高め |
奨学金制度(日本学生支援機構) | 条件は厳しいが金利は低い
奨学金制度は、日本国家管轄の日本学生支援機構が運営する学費支援制度です。
奨学金制度には貸付のタイプと給付のタイプの2種類に大きく区分されます。
給付型は、返済の必要がない制度で、非常に魅力的なタイプです。
しかし、学力の要件や保護者の家計の要件など、厳しく設定された条件に合致する必要があり、なおかつ認定される件数は少ないです。
貸付タイプは、返済を要するタイプの融資制度です。無利子のタイプと、利子が発生するタイプがあります。
無利子のタイプの認定を受けるためには、給付型と同様厳しい要件をクリアする必要があります。
有利子のタイプは比較的要件が緩く、他のタイプと比較すると利用しやすい制度です。
他の融資制度・融資サービスに比べて金利が低いことが特徴です。
デメリットとしては、長期間の返済が必要になることから、大学卒業後に長期間の負担が継続するという点が挙げられます。
生活福祉資金貸付制度 | 生活保護の性格を持つ
生活福祉資金貸付制度は、厚生労働省の施策、あるいは各地方自治体の施策で実施されている融資制度です。
教育費に特化したタイプではなく、一般的な生活の保障も含めた融資制度となります。
一般的に、返済金利は無利子になっているので、負担は非常に少ない制度です。
しかし、融資を受けるための要件は非常に厳しく、サラリーマン世帯など、一般家庭ではなかなか融資を受けられません。
教育資金の用立て手段としてはあまり一般的ではなく、利用できる世帯は限られています。
教育一般貸付(国の教育ローン) | 金利は低いが借入限度額が多くない
教育一般貸付は、国の管轄団体である日本政策金融公庫が運営する融資制度です。
申し込みは随時受付しており、申し込み・審査完了後20日程度で融資金が得られるという、利用しやすい内容になっています。
金利も1.65%(2022年1月現在)と低めで、負担が少ないことが特徴として挙げられます。
返済期限も最長15年での設定や、少額からの返済も可能な制度になっています。
デメリットとしては、借入限度額があまり大きくないという点が挙げられ、350万円という上限額が設定されています。
民間の教育ローンの上限額と比較すると少なめなので、負担の大きい私学の理系学部に進学する場合には、資金が不足する可能性があります。
学生ローン | 消費者金融で金利が高い
学生ローンは、消費者金融業者が行なっている、大学生向けの融資サービスです。
一般的な消費者金融のサービスとなっており、手続きはとても簡単です。
即日融資に対応している業者も多く、急ぎで資金が必要になるケースでは頼りになります。
また、学生自身が手続きをすることになるのが大きな特徴です。
本人が家族に伝えず融資が受けられるので、状況によっては頼りになるサービスかもしれません。
近年は、同居家族に融資の利用をしていることが発覚しないような、郵便物の送付名を掲載しないケースや、郵便物なしで利用できるアプリローンなども充実してきています。
学生ローンのデメリットとしては、金利が高いことが挙げられます。
他の融資制度やサービスに比べて大幅に金利が高く設定されているケースが多いので、借入を受けてから返済するまでに要する期間が長い場合は、負担が非常に大きくなってしまいます。
一時的な資金不足を解消するために利用し、早めに返済するといった活用方法をおすすめします。
民間金融機関の教育ローン | 都市銀行から地銀、信金まで様々なサービスがある
民間金融機関の教育ローンは、都市銀行や地方銀行、地方の信用金庫が行っている教育資金目的の融資サービスです。
国の教育ローンや地方自治体などが行っている支援制度に比べて、借入金額の上限が大きいことが特徴です。
また、公的制度や国のローン制度に比べて、申込から短期間で融資が受けられる点も大きな特徴です。
さらに、融資目的が多様で、受領した借入金は様々な目的に利用しても差し支えありません。
例えば、国の教育ローンの場合は大学の入学金や授業料の補填として利用するなど、利用方法が限定されています。
一方、民間金融機関の教育ローンの場合は小学校のランドセル購入代に利用できるなど、用途が広く便利な活用が可能です。
金利の設定傾向としては、都市銀行の方が高めに設定されていることが多く、逆に地方銀行や地方の信用金庫の方が低い金利を設定しているケースが多くなっています。
金融機関ごとに審査基準は異なっているため、一律ではありませんが、年収の要件が審査基準に含まれているケースが多いです。
国の教育ローンの場合は年収が低い世帯の方が審査に通過しやすいという傾向があります。
信金の教育ローンも、この分類に含まれることになります。
信金の教育ローンは比較して利用しよう
以上、信金の教育ローンについて紹介をしてきました。
信金の教育ローンを利用する場合は、金利や借入限度額、返済期限などを比較するとともに、地域による利用範囲が決まっている点に注意しましょう。
条件が良い信金を選択したいと思っても、地域の条件によって利用できないことがあるので、チェックする必要があります。
金融機関によって利用可能地域の考え方が異なるケースもあるので、利用の都度確認することをおすすめします。
例えば、居住先は営業範囲外であったとしても、勤務先が範囲内であった場合は利用可能としている金融機関もあります。
信金の教育ローンを利用する際には、各金融機関の最新の条件や契約内容をしっかりと確認して、理解したうえで契約を行ないましょう。
また、教育資金の融資制度やサービスは、民間金融機関の教育ローン以外にも様々あり、それぞれ条件が異なります。
様々な制度や商品を比較して、自分の希望や好みに合ったぴったりのものを選択することが重要です。